【日本のアニメの産業としての現状】アニメ産業レポート2020

みなさんは日本のアニメを『産業』として考えたことがありますか?

視聴者としてアニメを見る時はあまり意識することは無いと思うのですが、アニメ業界はビジネスとして作品を作っています

ぼん太郎
どんなに素晴らしい作品も、需要がなければ会社が傾きます。会社が傾けば、働いている人が苦しくなります。当たり前の事ですが、作り手の私たちは忘れがちなところです。

ということは、アニメ業界で働く人の収入を支えるためには、まず産業として成功していなければいけません。

では、今の日本のアニメ産業の状態はどうなっているのでしょうか。

目次

アニメの産業としてのデータ、『アニメ産業レポート』

日本のアニメ産業を図る一つの指標として、『アニメ産業レポート』という資料があります。

これは、一般社団法人の『日本動画協会』という組織の作った国内アニメ産業の全体像をまとめた資料で、日本動画協会の独自調査により毎年作成されています。

「アニメ産業レポート2020 サマリー (要約版)」が公式サイトで無料公開

2021年1月29日に「アニメ産業レポート2020 サマリー (要約版)」が無料公開されました。

では最新のデータがどうなっているのか、さっそくその中身を見ていきましょう!

※サマリー(要約版)は公式サイトで誰でもダウンロードできるので、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

[blogcard url=https://aja.gr.jp/]

アニメ産業レポート2020

※今回は現在公開されている中での最新版、2020年版から主要なデータをいくつかピックアップしています。

市場規模について

まずは、日本のアニメの市場規模についてです。(国内と海外の市場の合計)

2002年から2019年までのアニメ市場の推移がグラフになっているのですが、ほぼずっと右肩上がりです。2002年に1兆1000億くらいだった市場規模が、2019年には2兆5000億を超えています。倍以上ですね。そしてこの勢いを見ると、まだまだこれからも伸びていくと予想されます。

アニメ産業のジャンル別の推移

続いて、アニメ産業のジャンル別の推移についてです。

これは、日本のアニメ市場の推移をジャンル別に表したもので、TV、映画、ビデオ、配信の4つのデータがグラフになっています。それぞれ見ていきましょう。

【ビデオ】

まず、ビデオの推移を見てください。これはDVDとかブルーレイの売り上げのことなんですが、ほぼずーっと下がり調子です。一時、1400億円くらいの規模っだったものが 今では563億円くらいにまで縮小しています。これが「円盤のビジネスは終わりに向かっている」と言われる理由です。

【配信】

次に、配信を見てください。配信は着実に伸びているのが分かります。2002年に2億円程度しかなかったのに、2019年には685億円規模です。300倍以上の成長です。すごい!今や、ビデオの市場規模を超えています。まだまだこれからも伸び続けると思います。

【映画】

映画の推移ですが、年によって増減が激しくて読み取りにくいですね。ただ、全体としてはやや伸びているようです。最近では、コロナの影響もあり映画全般の元気がなかったのですが、「鬼滅の刃」など記録的なヒット作が出ているので来年のデータがどうなっているのか楽しみです。

【TV】

問題はTVです。市場規模としては今だに一番大きいのですが、1000億円くらいでほぼずっと横ばいになっています。最近よく言われる「若者のテレビ離れ」もあり、これからのTV市場の成長はかなり難しいのかな、と思います。

この事と配信の市場の推移を考えると、テレビアニメに依存するビジネスモデルは変革の時を迎えているのかもしれません。

ぼん太郎
ビデオは下がってて、テレビは横ばい。そして配信は急成長!これだけ覚えておけば大丈夫!
次は、海外の市場を見ていきますよ!

国内と海外のアニメ産業の推移

これは、国内と海外のアニメ産業の推移のグラフです。それぞれ見てみましょう。

【国内】

国内の市場は2014年くらいまで順調に成長していたのですが、1兆3000億円前後で停滞してしまいました。これは、少子化の影響などで国内の市場が上限に達したからだと言われています

【海外】

逆に海外の市場は、2014年から急激に伸びています。2014年に3200億円程度だったところから、2019年には1兆2000億円まで伸びました。5年でおよそ四倍。すごい。

国内市場が1兆3000億円くらいなので、もうすぐ国内と海外の市場規模が逆転すると思います

ぼん太郎
国内の需要と、海外の伸び率を見ると色々と考えてしまいます。個人的な好みは別として、これからは海外を意識した作品が増えて行くかもしれませんね。

海外展開・地域比率

次は、日本のアニメの海外展開の地域別比率を見ていきましょう。この円グラフを見てわかる通り、日本のアニメは特にアジア圏での人気が高いことがわかります。という事は、それ以外の地域ではまだまだ成長の余地があるという事です。

先述の「アニメ産業のジャンル別の推移のデータ」を見ると、これからは配信でのビジネスが加速していくと考えられます。そうなると、より海外の市場が重要になってくると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。アニメ業界が「産業」としてどのくらいの規模で、どういう風に成長して来たかが少し分かったと思います。

以下、重要部分をまとめてみました。

  • 日本のアニメ市場は、ほぼずっと伸び続けている。
  • ビデオ市場は縮小、テレビ市場は横ばい。そして配信の市場は急成長をしている。
  • 国内の市場は頭打ち感があるが、海外の市場はこれから広がっていく。
  • 日本のアニメは特にアジア圏で人気があり、それ以外の地域への展開が期待される。

 

このデータを見て、「日本のアニメ産業もまだまだ捨てたもんじゃないな」と思った方もいるのではないでしょうか。

ぼん太郎
アニメ業界儲かってますね!さぞいい暮らしができるんでろうなー(棒)

はい、大きなフリができたところで次のデータの紹介です。

ここではアニメのビジネス面、「産業」としてのデータを見てきました。では実際アニメを作っている制作現場はどうなっているのか。気になる方はこちらの記事をチェック!

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