こんにちは、管理人のぼん太郎です。
今回も『日本のアニメ制作の工程』を、どこよりもわかりやすく徹底解説していきますよ!
今回の記事は、前回の『アニメ制作の流れを知ろう①』の続きとなります。まだ読んでいない方は、まず先にこちらの記事から読んでくださいね。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://animedetabetai.com/animation-production-flow_01/ target=]
さて、前回の記事のラストで含みを持たせて申し上げましたが、やはりアニメ業界は甘くない…。
前回ご紹介した工程は、『基本』であり『理想』でもある!
いったいどういうことなのか。じっくり解説していきます!
『基本』が崩壊?『基本』のハードルが上がってしまったアニメの制作の今
アニメ制作は素材受け渡しのバケツリレー
軽く前回のおさらいをします。特に重要な情報は大きくこの二点です。
- 日本のアニメ制作は、大きく分けて3つの基本工程に分けられている
- アニメ制作のスケジュール上とても重要なイベント→カッティング、アフレコ、ダビング
まずは3つの基本工程のうちの『プロダクション』工程をさらに掘り下げてみましょう。
今回も細かい説明は省きざっくりと説明します。
この図をじっくりと見てください。
水色の部分が素材を作成する作業、緑の部分が品質チェック、赤い部分が各部門の責任者の修正作業となります。
つまりアニメ制作は基本的に、素材の作成→チェック→修正→次のセクションへ、の繰り返しになります。
これが、アニメ制作の『基本』です。
※ちなみに、『背景原図』とは美術さんが背景を描くときに必要なラフの線画の事です。この背景原図を美術さんに渡すことを『原図出し』と言います。
さあ、ここからが本題ですよ。
この『基本』の作り方の弱点はどんなところだと思いますか?
それは…
前の工程が終わらないとその先の工程すべてが作業不能な所です!
スケジュール通りには進まないアニメ制作
アニメ制作に限らず、物づくりはスケジュールとの戦いです。そして、なかなか思う通りには進みません。
たとえば、
- 体調不良で作業が滞った
- 思ったより作業内容のカロリーが高く、時間がかかる
- スタッフの力量不足により、修正作業が膨大
- 人数が足りなく、個人の物量が倍になった、などなど…
原因はいくらでも考えられます。
事務作業と違いクリエイティブな仕事で難しいことは、各作業のカロリーやクオリティー、個人の力量を数値化しにくいことです。
そういった意味で確信の持てる指標がなく、スケジュール管理の難易度が高くなります。
それに加え年々作品数は増え、複雑化、高クオリティー化し、制作状況はどんどん悪化していきました。
おっしゃる通り。そこに全く異論はございません。ですが、恥ずかしながら実際そうできていないからこそアニメ業界のスケジュールがたびたび問題になっています。
現在は『スケジュールの遅れの常態化』が平常運転
『ポスト・プロダクション』に必要な素材が間に合わない場合どうなるのか
さて、話をもどします。
『前の工程が終わらないとその先の工程すべてが作業不能』
この構造を言い換えると、
『前の工程で遅れたスケジュールは後の工程で取り返すしかない』となります。
そんなことがずっとできると思いますか?
はい皆さん。『アニメ制作のスケジュール上とても重要なイベント』を覚えていますか?
そう。『ポスト・プロダクション』のカッティング、アフレコ、ダビングですね。
そしてこれらのイベントがなぜ重要か。
スケジュールをずらせない(ずらしにくい)からです。
つまり、ここまでの話をまとめるとこうなります。
カッティングに撮影素材(ムービーデータ)が間に合わなかったら、即・試合終了!
今の状態じゃとてもじゃないけど耐えられないよー!
そしてアニメ制作の『基本』が『理想』となった
こちらは、前回の記事で掲載した『アニメ作りにおける3つの基本工程』の図です。
絵(映像)が完成してから、カッティング(編集)をする。とてもシンプルな構造じゃないですか。
しかし現在のアニメ制作の状況では、望んでいるけど達成できない…。
つまり、この作り方はもはや『基本』ではなく、ハードルの高い『理想』になってしまったのです。
まとめ
『アニメ制作の流れを知ろう②』、いかがだったでしょうか。
今回の情報をまとめてみます。
- アニメ制作は基本的に、素材の作成→チェック→修正→次のセクションへ、の繰り返し
- 『基本』の作り方だと、前の工程が終わらないとその先の工程すべてが作業不能になる
- そして現在、アニメ制作の『基本』はハードルの高い『理想』となっている
だんだんと不穏な空気が立ち込めてまいりました。
今回の記事は、アニメ制作で基本とされている作り方が、もはや達成困難になっているというお話でした。
では、現在はどういう作り方になっているのか!
次回の記事をお楽しみに!