【日本のアニメの作り方】アニメ制作の流れを知ろう!①

アニメ業界に興味を持っている皆さん、いつも見ているアニメがどうやって作られているか知っていますか?

  • アニメ業界に興味があるけど、作り方についてはまだ何も知らない
  • だいたいわかっていると思うけど、実際どうなってるの?
  • 業界的にやばいらしいけど何が問題なの?
  • アニメ業界で働いているけど、他の業種の人たちの仕事はどうなってるんだろう?
そんな疑問をお持ちの皆様、お待たせいたしました!

日本のアニメ制作の工程を、どこよりもわかりやすく徹底解説いたします!

アニメ業界に身を置くのであれば、その制作工程を理解していることは生存戦略としてとても有利になります。複数回に分け、じっくり記事にしていきますのでいっしょに学んでいきましょう!

目次

日本のアニメの制作の3つの基本工程

では、まずは大きな流れから見ていきます。

日本のアニメ制作は、大きく分けて三つの基本工程に分けられます。

  1. プリ・プロダクション(pre-production)
  2. プロダクション(production)
  3. ポスト・プロダクション(post-production)
ものすごくざっくりと説明すると、準備して→映像作って→編集・音付けて→納品する、となります。

これが、基本とされる映像制作の流れです。

ぼん太郎
言葉自体はそこまで重要じゃないですが、この流れが『基本』であるという事を覚えておいてくださいね。次は、この3つの工程についてさらに掘り下げて行きます!

『プリ・プロダクション(pre-production)』

『プリ・プロダクション』とは、簡単に言うと『実制作に入る前に行う準備作業全体』のことを指します。現場ではプリプロと略す事が多いです。

具体的には、企画・構成・脚本、全体のスケジューリング、ロケハン、キャストやスタッフの決定、各種設定の作成、そして絵コンテの作成など、幅広いです。

※『絵コンテ』とは『映像の設計図』のようなもです。これはその後の映像制作の指針となります。

ぼん太郎
この『プリ・プロダクション』で、作品のコンセプトや方向性が決まります。できあがる作品の成否に大きく影響するので特に重要な作業と言えるでしょう。

『プロダクション(production)』

『プロダクション』とは、簡単に言うと『絵(映像)を作る作業全体』の事です。

ぼん太郎
実は『プロダクション』という言葉自体は、現場ではあまりこの意味で使われてないので忘れてしまっても良いです。『プロダクション』と言うと、だいたいの場合で『アニメ制作会社そのもの』を指します。ですが、中の流れはとても重要なので覚えてくださいね。

プリプロで絵コンテができると、いよいよ映像制作の実作業がスタートします。

ここは少し専門用語が多いので、ざっくりですが整理しますね。

  • 作画(原画、動画)→いわゆるアニメーターの仕事(パラパラ漫画のプロですね)
  • 仕上げ(彩色)→アニメーターの描いた絵にパソコンで色を塗る仕事
  • 美術(背景)→背景を描く仕事
  • 3DCG→3Dの素材を作る仕事
  • 撮影→各素材をムービーデータの状態にする仕事

とまあ、こんな感じです。

さらに『素材』について補足すると

  • TP素材→『トレースペイント』の略で、デジタルの線画に色が塗られた素材データの事
  • BG素材→『バックグラウンド』の略で、背景画の素材データの事
  • CG素材→CGの素材データ(そのままの意味ですね)

アニメ業界を知らない方は驚かれるでしょうが、現在の日本のアニメ業界はまだ完全なデジタル化はしておらず、紙に絵を描いて素材を作ることが多いです。

素材は様々な工程を経てデータ化され撮影の所に集まり、最終的には『カット』という単位のムービーファイルとして出力されます。

※『カット』というのは切れ目なしに連続して撮影された映像の単一断片を指します。作品にもよりますが、テレビシリーズ一話数で300カットくらいが一般的です。

ぼん太郎
実はこれを『カット』と呼ぶのは日本特有のもので、海外では『shot(ショット)』と呼ぶのが一般的です。このように、日本のアニメ業界では撮影用語の使い方がかなり独特になっています。ですが、これらの用語は日本のアニメ業界に浸透しきっていて、どこの現場で多用されるのでこのまま覚えることをお勧めします。

『ポスト・プロダクション(post-production)』

最後は『ポスト・プロダクション』です。

ここでアニメ制作のスケジュール上とても重要なイベントがあります。それが、カッティング・アフレコ・ダビングです。

  • カッティングいわゆる編集作業です。カットの長さを切ったり伸ばしたりしてつなげます。
  • アフレコ『アフターレコーディング』の略で、収録スタジオで声優さんの声を収録をします。
  • ダビング一番なじみがないと思いますが、収録した声・効果音・音楽を一つの音源データにする作業です。

つまりこういう事です。

  1. 『プロダクション』工程で作られた300カットのムービーデータを、編集で一つのムービーデータにする
  2. そのムービーデータを基に、声優の声を収録する
  3. 声のデータ、効果音、音楽を一つの音源データにする

個人でアニメーションを作ったことがある人は、特に③の『一つの音源データにする』というところはピンと来てないんじゃないかな思います。完成時にまとめて出力すればいいじゃん、ってなりますよね。

ですが、プロの現場はとても高価な機材をたくさん使用するので、ちゃんとした音声スタジオで収録することになります。ということは、なんどもスタジオを押さえて調整する事ができません。(とてもお金がかかります)

つまり、基本的にダビング作業は一度きり。その後、一切音声データを修正できなくなります。それだけ重要な作業だという事を覚えてください。

※なぜこれらのイベントがスケジュール的に重要なのか

カッティング、アフレコ、ダビングはアニメ制作会社内で作業するのではなく、それぞれ外部の専門スタジオで行うのが一般的です。そのためスケジュールの変更がしにくいので、これらのイベント合わせでその他の制作スケジュールが組まれることが多いのです。

ぼん太郎
カッティング・アフレコ・ダビングは今後の説明でも重要になってきます。必ず覚えてくださいね。

最後にビデオ編集です。現場ではV編(ブイヘン)と呼ばれています。

これは簡単に言うと、上映・放映に向けての納品前の最終チェックです。具体的には、OP、アイキャッチ、ED、テロップ、スタッフロールなどを入れる総仕上げ的な作業となります。

まとめ

『アニメ制作の流れを知ろう!①』いかがだったでしょうか。

たくさん情報があったと思うのですが、今回特に抑えてほしい情報は大きく二つです。

〇日本のアニメ制作は、大きく分けて三つの基本工程に分けられている

  1. プリ・プロダクション(pre-production)
  2. プロダクション(production)
  3. ポスト・プロダクション(post-production)

〇アニメ制作のスケジュール上とても重要なイベント

  • カッティングいわゆる編集作業。カットの長さを切ったり伸ばしたりしてつなげる
  • アフレコ『アフターレコーディング』の略で、収録スタジオで声優の声を収録する
  • ダビング収録した声・効果音・音楽を一つの音源データにする
  • これらのイベントを基点に、その他の制作スケジュールが組まれる

今回の記事で、ざっくりとした基本の流れは把握できたと思います。

 

で・す・が!

申し訳ない、やはりアニメ業界は甘くないのです…。

今回ご紹介した工程は、『基本』であり『理想』でもあります。

何が言いたいのかというと、実際はこういう風に作れていないという事です。

一体どういうことなのか。気になる方はこちらの記事をチェック!

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